ダイビングの醍醐味は、非日常を海の中で体験できるところです。
水中世界には沢山の魚達との出会いや地上では体験できない神秘的な世界が広がっています。
ただ感動的な世界で楽しむ為には基本的なダイブスキルは必須になってきます。
その中でもインストラクターをやっていて、お客様から『海の中でできるか少し不安です』という声が多いダイビングスキルのやり方を紹介していきます。
スキルの成功のコツとは?
どのスキルでもリラックス状態で行うことが成功の秘訣です。
ダイビングのトラブルは基本的なことであれば、水中にいて長くても20秒以内に解決できるものが多いとされています。
どんなダイビングスポットに行くにしても、余裕をもって海に入ることが安心・安全なダイビングに繋がっていきます。
このスキルの内容が、今後のダイビングを楽しむ為のヒントになればと願っています。
・レギュレーターリカバリー
このスキルは、口からレギュレーターが外れてしまった時に、水中でレギュレーターを探して付け直すスキルになります。
ダイビング中にレギュレーターが口から外れることは、ほぼないですが、もしもの時の為に完璧にしておきたいスキルです。
レギュレーターが口から外れた場合はまず右手をお腹にあてます。
その右手を体から手が離れないように、右足の太もも(外側)に持っていきます。
次はその手でお尻を触り、右肩を少し前に出します。
そこから大きく手を後ろから前に回しますがまっすぐ回すというよりは、少し平行に手で円を描くように回すとよりいいと思います。
すると右腕のどこかにレギュレーターのホースが引っかかってきます。
右手でレギュレーターを取ることも可能ですが、肩の根元にホースが掛かると目で確認するのが難しいです。
肩にホースがかかっている場合のことも考慮し左手で右手の手首あたりから上に右腕を触りながらレギュレーターのホースを探します。
ホースを見つけたら、レギュレーターを目の前で確認しくわえます。
注意点は、口からレギュレーターを外した時は、ずっと息を吐き続けることを意識することです。
・レギュレータークリア
レギュレーターリカバリーとセットで行うのが、レギュレータークリアになります。
レギュレーターを見つけて、口にくわえるだけでは、呼吸を再開することはできません。
レギュレータークリアには2つのやり方が存在します。
ブレスタイプは、呼吸に余裕がある時のやり方になります。
パージボタンタイプは、呼吸に余裕がない時のやり方になります。
両方覚えておくと状況によって使い分けることができるので、覚えておきましょう。
(ブレスタイプ)
レギュレーターリカバリーで、口までレギュレーターを持ってきたら、しっかりマウスピースを咥えましょう。
そして口を閉じた状態で口から息を吐きます。
簡単に言うと息をセカンドステージに吹き込みます。
しっかりと息が吐ければ、呼吸を再開できます。
(パージボタンタイプ)
レギュレーターリカバリーで口までセカンドステージを持ってきたら、しっかりマウスピースを咥えます。
ここまでは、ブレスタイプと同じです。
パージボタンタイプでは、マウスピースをしっかり咥えたら、舌でマウスピースの穴を塞ぎます。
準備ができたらパージボタンを軽く押し、レギュレーターのエアーを使い呼吸を再開させます。
のどに直接エアーがあたるとむせて水を飲んだりすることがあるので、しっかりマウスピースを舌で塞ぐようにしましょう。
・マスククリア
このスキルはマスクの中に水が入った時にマスクから水を抜くためのスキルになります。
マスクに水が入る理由はサイズの問題や誤った装着方法などが考えられます。
ご自身のマスクを使用しているにも関わらず入ってくることが多いのは、ダイビング中に笑ってしまい、マスクと顔の隙間から水が入ってしまう時だと思います。
水が入ってしまうからと言って、笑顔になるのを恐れるよりは、笑顔でダイビングして水がはいったとしても慌てず水を抜くという方が理想的です。
マスクに水が入ってしまった場合は、慌てず呼吸を整えましょう。
呼吸が継続できていれば、不安になることも少ないと思います。
マスクに入った水はマスクの鼻の部分に溜まります。
マスクの下の部分から水を排出したいので、マスク上部を片手、もしくは両手で軽く押さえます。
このときマスク上部を軽く下方向に押さえて、マスクの下の部分に、ほんの少し隙間を作ります。
そして鼻から息を出していき 少~しだけでいいので上を向きます。
口からではなく 鼻から息をだしていくことに慣れるまでは、『んー』と鼻から息を出すときにハミングしているようにすると抜けやすいです。
鼻から出す息は、勢いよく『ばほーん』と出すよりも、長く継続してマスクの中に空気を送り込むイメージで、『んー』と慌てず行いましょう。
マスククリアの時にマスクを下向きに押さえるのは、マスククリア後にマスク位置が上部に移動してしまい、またマスクの中に水が入ってしまうのを防ぐ為です。
マスクに水が多く入ってしまっても、やり方は同じです。
一度でマスクから水が出なかった場合は、また慌てず呼吸を整えてから、落ち着いてマスクに残った水をクリアしましょう。
水が抜けた後もマスクに髪が入っていないか、マスクがずれていないかを確認してください。
マスク脱着
読んで字のごとく、水中でマスクを取り、付け直すというスキルになります。
このスキルは、通常のダイビングでは、まず使うことがないと思います。
もしあるとすればマスクをはずして、ものすごい笑顔で写真を撮りたいとき?!
それぐらいマスクを脱着するタイミングはありません。
ただこのスキルを出来る人と出来ない人では、水中での安全性やトラブル対処に大きな差がうまれると思います。
ダイビングで一番優先するべきは、呼吸です。
どんな状況になってもレギュレーターから呼吸が出来ていれば、慌てず対処できると思います。
通常ダイビングは、口呼吸のみで水中を移動します。
日常生活では、鼻呼吸も無意識にしている為、口でのみ呼吸をするのは少しの間、練習が必要です。
マスクがあると多少の鼻呼吸をしても、鼻から水が入ることはありません。
ただマスク脱着のスキルにおいては、必ず鼻で呼吸しないことが求められます。
その為、マスク脱着のスキルの前にマスクを付けずに水中で呼吸ができるか試してみるのもいいと思います。
水中で呼吸ができればあとはマスクを外して、マスクを着けて、マスククリアをするだけです。
一つポイントをお伝えするとマスクを着けて水を抜くことを意識するよりも、呼吸を優先して一つ一つクリアしていく方が、慣れるまではやりやすいと思います。
まずは呼吸をしてマスクを外し、マスクを外したら、また呼吸を優先します。
マスクを付けたら、また呼吸をしてマスクから水を抜きます。
そのあとに また落ち着いて呼吸をし、マスクのズレや、髪の毛、マスクのシリコンが付けたときに折れ曲がってないかなどを確認してください。
スキルの中でもマスク脱着は、初心者ダイバーに取っては最難関と言われています。
ただこれが出来てしまえば、極端にいうとマスクなしでもダイビング中呼吸が出来ると言うことです。
最後になりますが、コンタクトレンズの人は度付きのレンズをマスクに付けることをお勧めします。
ダイビング中にマスクに水が入ることはよくあるので、コンタクトでダイビングをするよりも、事前の準備がおすすめです。
まとめ
今回は基本的なスキルのやり方をご紹介させて頂きました。
不安や疑問を解決していくこと、また苦手な部分を少しづつ減らしていくことで、感動的な世界や神秘的な瞬間をダイビングで体験できると思います。
他にも多くのダイブスキルがあると思いますが、今回の内容が少しでも参考になればと思います。
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