昼過ぎの静寂した店内に リョースケの声だけが響き渡っています。。
ハタチのときに インストラクターの試験を受けて、
そのとき フルレスキュー評価で確認の順番を間違えたんです。
意識の確認と呼吸の確認を間違えたんです。
で、もちろんそこをつっこまれ、採点が5でした。
採点は
3 4 5 6 7 8
で、6以上が合格。
5だったのでそこはクリアできず。
4になるとその項目はアウト。
自分の場合は、5だったので 同じレスキュー項目のCPRが7以上であれば、
あわせて6になるので その項目は合格になる。
もし CPRで6だとあわせて6以下になるので その項目は不合格となります。
夜 最後の評価に、CPRがあり そこですべての試験が終わります。
もうそれ以外は合格していたのはわかっていたので、
あとは このCPR で、7以上をだすだけ。
6で合格したとしても 結果は不合格になるので、
もう7以上をだす しか、合格できず。
CPR が始まり、
だれからやるか と、聞かれたので自ら手をあげ 一番手で挑みました。
一発で完璧なデータをだせば 8 がとれる。
もうそれしか考えず、一発で決めて 8 で絶対に合格して東京に帰る!
そう決めて 一番手。
もう ものすごいモードに突入してCPRを始めました。
”大丈夫ですか 大丈夫ですか!?”
もうね、ゾーンに入ったかのごとく、
自分の世界に入ります。
緊張はまったくなく、自信に満ち溢れ 堂々としたインストラクション。
意識がないので 圧迫をはじめます。
いまは 30回ですが、
当時は 15回 の圧迫でした。
確実に 正確に 圧迫するチカラとリズムを一定に。
”イチ ニ サン”
声を出して圧迫していきます。
ぜったいに1発でだして合格するんだ。
待ってる人がいる。
プールまで担当をしていて、海洋待ちのゲストがいる。
試験前に1ヶ月間、業務終了後に店で寝泊まりして勉強を教えてくれた橋本課長、
風呂は海で 当時からその教えでした。
ほぼ毎日の海でちゃんと全身をキレイに洗って、帰ってきて業務が終わってから寝落ちしながらとにかく勉強を教えてもらったあの日々。
ぜったいに 受かるんだ。
もう一度言いますが、
圧迫は 15回 です。
カウントしながら圧迫を続けます。
ジュウサンッ ジュウシッ ジュウゴッ ジュウロク! あっ!!
・・・。
はい、交代。
ホシザキさんの非情なあの一言。
・・・。
え!?
おわり??
15回の圧迫なのに 16回押しちゃった!!
で、 あっ!! って自分で言ってホシザキさんの顔見て あきれ顔で はい、次の方 って言われ。
あれは びびったーーー。
トキが止まりました。
なんてこった。
めちゃめちゃ気合いれてたら 16回押しちゃった!!
15回でいいのに 16回押しちゃった!!
次の人がはじまり、バクバクしまくっていた心臓がやっと落ち着き始め、
冷静に なんで 16やねん と。
そのミスはないだろ と。
自分の番になるときには落ち着きを取り戻し、
いままでの練習通りにやれて カンペキなデータをだして無事にイチ抜け。
2回目で、かつ カンペキなデータだったので 7 がつくこともわかり、
これで合格が確定。
ホシザキさんから、まだ時間は残ってるからいまのうちにシャワーあびてきたらいかがですか と。
このあと結果発表なので、その前にシャワーあびていいぞ と。
トレーニング中、7日間お風呂にちゃんとはいっていなかったので、お言葉に甘え お風呂に入りました。
7日ぶりだしな と思い、2回目のトリートメントをしていたら、
岩切クンがトビラをドンドンたたき 集合やで と呼びにきてくれて。
うそだろ!? いつまで入ってるねん じゃないよ、
いま2回目トリートメントしてて、まだカラダも洗ってないのに!!
と思いながら 大急ぎで風呂をでて カラダぶわーって拭いて、
トリートメントしたままの髪の毛でポロシャツのエリたてて整列して、
全員終わった総評みたいのが始まり、
多めにつけたトリートメントがダラダラとおでことか首筋にたれてきながら話しを聞いて、
合格発表は何時からみたいなかんじでいったん終わったので、ソッコーでアタマだけ洗い流して カラダは洗えず。
ものすごいサラッサラの髪の毛で インストラクター合格通知を受け取ったのを覚えています。

いよいよリョースケさんの復帰IEが始まりました。
ナショナルインストラクターによる評価です。
海はね、経験でなんとかなる部分もありますが 知識は自分がどれだけ勉強したか それだけなので、
言ってしまえば 勉強すれば必ず合格するし、
不合格であれば 足りなかった というだけのこと。
非常にシンプルです。
どれだけ経験が増えても強制的に学ばなければ座学は入りません。
潜水知識は増えますが、座学は別物なので。
ここで テストに受かるためだけのために勉強するレベルであれば、今後いっさい知識は増えていかないし、
ここで 知識が必要 ということを身をもって知ることは、インストラクターの活動をしていくうえで基盤になります。
その武器が自分を守るということが理解できていなければ、なんのために筆記テストを受けているか意味がないことになるので、知識がどれだけ大切かをここで実感しておいてほしいと思います。

志はひとつ。
では